別の償い方がある、皆が笑顔になれる方法があるはずだとルリアは叫ぶ。絶対に諦めないと言うグラン
一行を目の前にし、ヴィーラは星晶獣シュヴァリエの力を呼び起こす。
ルリア
カタリナ……
カタリナのしたことは、
確かに酷いことなのかもしれない……
ルリア
だけどそれは、
そこに留まることでしか贖えないの?
ルリア
カタリナが空に出て得たものを、
犠牲にすることでしか、
償えないの……?
ルリア
きっと……絶対にあるはずだよ。
カタリナも私も……
ヴィーラさんだって!!
ルリア
みんなが笑顔になれる方法があるはず!
それを一緒に探そう!
だから私の手を取って! カタリナ!!
カタリナ
…………
ヴィーラ
気は……済みましたか?
ルリア
ヴィーラさん……
私は……私は絶対に諦めません!
ヴィーラ
そうですか……
では、残念ですが、
実力で排除させていただきます。
ヴィーラ
シュヴァリエ……
アルビオン領主の名において命ずる、
我が身に宿りて、その力を顕現せよ!!
主であるアルビオン領主の呼びかけに、
騎士たる星晶獣は、その力を形にする。
ラカム
まさか……
シュヴァリエの依代には、
真の騎士が……ってのも嘘かよ。
ヴィーラ
ふふふ……嘘も方便です。
ヴィーラ
帝国の力を借りて、
お姉様と貴方達を引き離すためには、
必要な嘘でした。
ヴィーラ
さぁ、まだお姉様を諦めぬというなら、
その未練……私の執念で、
見事、断ち切って差し上げましょう。
心を揺らすカタリナに、グラン一行は言葉を投げかける。しかしヴィーラはそれを妨害し、シュヴァリエの力を身にまとい、グラン
一行に襲いかかる。
ビィ
へへんっ!
これくらいのことじゃ、
オイラ達はへこたれたりしねーぜ!
ラカム
未練でも執念でもねぇが……
ここで諦めるなんざ、
寝覚めが悪くてな……!
イオ
あたし達にはカタリナが必要なのっ!
こればっかりは、譲れないんだから!
オイゲン
事情のある奴なんざ
空には珍しくねぇ……それでもみんな、
なんとかやってけてるもんなのさ。
ロゼッタ
ま……馬鹿ばっかりっていうのは
よぉっくわかったと思うけど……
ロゼッタ
それよりなにより、
もっと大切なことがあるわよね?
ルリア
そうだよ、カタリナ……
ねぇ、私達は諦めたりしないよ。
それで……カタリナはどうしたいの?
カタリナ
……っ!
わ、私は……
ヴィーラ
お姉様……
どうぞお気を確かに持ってください。
ヴィーラ
お姉様をたぶらかそうとする連中など、
いまに私が、
排除してご覧にいれます……!
ヴィーラ
シュヴァリエよ……
星の騎士たるその力、
いまこそ我が前に示せ……!
ヴィーラ
主の剣となり、盾となりて、
我が悲願の道に
立ちはだかる者を斬り払え!!
ビィ
これで決着だぜ!
気合入れろよ! グラン!!
ヴィーラを倒したが、激戦によって城は崩壊寸前だった。何とか脱出するが、その中にカタリナの姿はない。しかし瓦礫の中から、ヴィーラを抱えたカタリナが現れ、カタリナは皆にただいまと微笑むのだった。
ヴィーラ
そん、な……
自らの敗北にヴィーラは崩れ落ち、
その身を覆っていたシュヴァリエは、
彼方へと姿を消した。
カタリナ
ヴィーラ……
ラカム
凄まじい子だったな……
星晶獣を使って戦うなんて、
アリなのかよ?
ロゼッタ
シュヴァリエが
特殊な星晶獣だったってだけよ。
ロゼッタ
それより……マズイわね。
ビィ
な、なんだぁ!? この振動は!?
オイゲン
ちぃっと派手に
ドンパチやり過ぎたみてぇだなぁ……
崩れるぞ、こりゃあ。
イオ
く、崩れるぞ、って……
なら、早く逃げなきゃ!
グランも! ルリアも! 早く!
ルリア
カタリナ……もう帰ろう?
私達の騎空艇へ……私達の空へ。
ビィ
こいつぁ、いよいよやべぇぞ……!
急げ! グラン!
選択肢
行こう! ルリア!
ルリア
ま、待って!
まだカタリナが……!
ルリア
カタリナ! はやく、こっちへ!
カタリナ
……ありがとう、ルリア。
ルリア
え……?
直後、大きく天井が崩落し、
グラン一行は、
崩壊する塔から命からがら脱出した。
ルリア
ねぇ、カタリナ……
どこなの……
ルリア
返事をして!!
???
そんなに取り乱してはいけないな……
いかなる時も心を強く持て、と、
そう教えたじゃないか……
ルリア
カ、カタリナ……!?
瓦礫となった塔の中から、
カタリナは気絶したヴィーラを抱えて、
姿を現した。
ビィ
ヒ、ヒヤヒヤしたぜ……
本当に姐さんはもう、
助からなかったんじゃないかと……
ラカム
ったく、心配かけさせやがって……
カタリナ
ふ……すまない。
だが、ヴィーラをあの場に、
放っておくわけにもいかなくてな。
ルリア
カタリナっ!
良かった……無事だったんだね!
カタリナ
ああ……
ずいぶんと心配をかけてしまったな……
カタリナ
だが、もう大丈夫だ。
何が大切か……私は何を選んだのか。
もうそれをしっかり思い出した。
カタリナ
だから……
ただいま、みんな。
そう告げたカタリナは
ルリアの手を取り、
静かに微笑んだ。