カタリナは帝国へ戻るべきだと告げるヴィーラに、本人から理由を聞くまでは納得できないと食い下がるグランたち。
カタリナが選択した理由を明かすため、ヴィーラは一行をとある場所へと導くのだった──
ヴィーラ
――そうですか、
お姉様が……
ラカム
ああ、それで、ヴィーラちゃんは
帝国とも繋がりがあるみたいだったし、
何か知らねぇか?
ヴィーラ
確かに、アルビオンはエルステ帝国に
多数人材を送り出しており、
仲は深いと言えるでしょう……
ヴィーラ
しかし、
お姉様が姿を消した件については、
私から申し上げられることは何も……
イオ
そんな……じゃぁ、
カタリナが何処かへ行っちゃうのを
黙って見過ごすしかないの……?
ヴィーラ
……お言葉ですが、
お姉様が帝国と行くことに、
何か不自然な点があるのでしょうか?
ヴィーラ
そもそも、お姉様は
一度はエルステ帝国に仕えた身……
ヴィーラ
アルビオン領主として言うならば……
お姉様が帝国に戻るのは、
むしろ好ましいことと言えます。
ルリア
でも……
こんな、何の前触れもなしに……
ルリア
せめてカタリナの口から、
どうして私達の元を去るのか……
ルリア
カタリナに会って、
その理由を聞きたいんです……!!
ヴィーラ
それは……
その理由というものが、
どんな厳しいものであってもですか?
ルリア
はいっ!!
ヴィーラ
……わかりました。
そこまで言うのなら、お話しましょう、
お姉様が迫られた選択を……
ヴィーラ
見せたいものがあります。
少し私に付いて来てください。
ヴィーラ
途中で魔物にやられてしまわないよう、
十分気を付けてくださいね?
古より伝わる特殊な星晶獣「シュヴァリエ」について、ヴィーラは語り始める。
エルステ帝国は、アウギュステで研究されていた兵器アドウェルサでアルビオンの平和を脅かし、シュヴァリエの顕現を求めた。
真の騎士を生贄にこの世に顕現するというシュヴァリエ──
その生贄に選ばれたカタリナは、グランたちの安全と引き換えに帝国に囚われることとなったのだった。
ヴィーラ
このアルビオンには、
シュヴァリエという特殊な星晶獣が、
古より伝わっています。
ヴィーラ
シュヴァリエは真の騎士を依代に……
いえ、生贄にしてはじめて
この世に顕現する星晶獣なのです。
ルリア
真の騎士を生贄に……
ヴィーラ
強大な力を求めるエルステ帝国は、
当然、シュヴァリエの存在に目を付け、
顕現させるよう私達に求めました。
ヴィーラ
しかし、
依代となる騎士には合意が必要であり、
志願者が居ない、と断ると……
ロゼッタ
帝国のほうから、
都合の良い人材を、
見つけてきたってわけね……
ヴィーラ
ええ……
帝国は、貴方達の安全と引き換えに、
お姉様に犠牲になれ、と……
ヴィーラ
そう取引をもち掛けることを
私に明かし、
協力するよう言ってきました。
ヴィーラ
当然、最初は拒否しましたが、
そこでフュリアス将軍が……
……あの兵器を持ち出してきたのです。
オイゲン
しくじったもんだなぁ……
オイゲン
あのとき……
アウギュステでキッチリ、
ブッ壊せてりゃあ良かったんだが……
一同が見つめる視線の先。
そこにはエルステ帝国の戦艦が、
悠々と空を漂う。
その戦艦には、
アウギュステで研究されていた兵器
アドウェルサが搭載されていた。
ヴィーラ
島をも滅ぼす兵器の威力を見せられ、
アルビオンの人々を守るには、
領主として決断せねばならず……
ルリア
それじゃ、
カタリナは私達のために……?
ルリア
だから、
私達に何も言わず、黙って……
ラカム
事情はだいたい飲みこめたぜ……
ったく、
ひとりでカッコつけやがって……
魔物
グオオォォッ!!
ラカム
魔物か……
八つ当たりになっちまって悪いが、
いまは手加減してやれねぇぞ……!!