島にとり憑く星晶獣について村人に尋ねる一行は、ひとりの少女の噂を耳にする。星晶獣を呼び寄せたと噂される少女に事情を聞くため、グラン
たちは、丘の上の怪しい館へ向かうのだった。
島にとり憑く星晶獣について、
村人に尋ねていくグラン一行。
すると、
多くの村人がとある少女にまつわる
噂話を口にした。
村人
見えますか?
あの丘の上の館に
住んでいる女の子なんですが……
ビィ
ずいぶんでっけぇ館だけど……
なんだか怪しい雰囲気だな……
村人
あの館の周囲には、
館を守るように魔物が
徘徊しているんです。
村人
館にひとりで居る女の子を、
村の者も気にかけているのですが、
魔物のおかげで近づけず……
村人
いつのまにやら、
星晶獣は彼女が呼び寄せた、
なんて噂まで広まっていて……
カタリナ
なるほどな……
それでますます彼女は、
孤立を深めているというわけか……
村人
まさか!
もし星晶獣を呼んだのが彼女だとしても
彼女を恨むような者はいませんよ!
イオ
死んでるっていうのに、
あれだけ元気な村の人達を見ちゃうと、
説得力があるわね……
ルリア
それじゃさっそく、
あの館に行ってみましょう!
何かわかるかもしれません!
ビィ
おっ!
もう大丈夫なのか? ルリア。
ルリア
慣れました!
もう私に怖いものなんてありません!
ロゼッタ
いまそこに首のない血まみれの男が……
ルリア
ひぅっ!?
カタリナ
ロゼッタ!
ルリアを脅かすのは
止めてくれと何度言えば……
ロゼッタ
ふふ、ごめんなさい。
でもこれはアタシなりの
愛情表現なのよ?
ビィ
やれやれ……
とにかく行こうぜ、グラン。
目指すは、あの怪しい館だ!
館を目指す一行の前に、スツルム&ドランクが姿を現す。どうやら、幽霊船の星晶獣セレストに眠るお宝が目的のようだ。ドランクのふざけた様子に呆れる一行の行く手に魔物が立ち塞がる。
ロゼッタ
館に近づくにつれ、
強い魔物が増えてくるわね……
よほど大事なものを守ってるみたい。
ドランク
大事なもの……大事なものねぇ……
それってやっぱり、
お宝だったりするわけかなぁ?
ロゼッタ
さぁ……って誰よアナタ。
いつの間に……?
ドランク
やぁやぁやぁ! 綺麗なおねーさん!
僕はドランクっていうんだけどねぇ、
以後お見知りおきを……痛ってぇ!?
スツルム
誰彼かまわず鼻の下を伸ばすな。
……刺すぞ。
ドランク
それ、ぶっすり刺してから言う!?
ビィ
またお前らかよ……
今度はなんだってんだ?
ドランク
いやね?
この島にとり憑いてる星晶獣……
あれ、セレストっていうんだけどさ……
ドランク
幽霊船の星晶獣、セレストには、
お宝の伝説があるんだよねぇ!
ってことでお宝探しってわけ!
カタリナ
宝探しとはいえ、
よくまぁ、こんな恐ろしい島に
来るつもりになったものだな……
スツルム
意味不明……恐ろしい? 何が?
ビィ
何がって、お前……
この島は住人も魔物も、
ゾンビだらけじゃねーか!
スツルム
馬鹿……あれは風邪をひいて
顔色が悪いだけだ。
スツルム
ドランクもそう言っていた。
……そうだろう? ドランク。
ドランク
いや、あれはゾンビだよねぇ!
誰がどう見たって、
ゾンビにしか見えな……痛てッ!?
スツルム
ドランク貴様! またかっ! このっ!
どれだけあたしをおちょくれば、
気が済むんだっ!
ドランク
ぐへっ!? ちょ、痛いって!
そんなぶすぶす刺さないで!
穴だらけになるから! ぐほっ!?
ルリア
あわわわ……
ド、ドランクさんが
みるみる蜂の巣に……
イオ
はぁ……
こんな馬鹿放っておいて、
さっさと進みましょ?
イオ
ほら、魔物が来てるわ!
油断大敵よ! グラン!
魔物を退けた一行は館の前に佇む少女を発見する。霧の中に佇む少女は、その瞳に語られぬ真実を宿し、敵意をむき出しにしてグラン
たちを迎えるのだった。
ビィ
なぁ、おい! あそこ!
館の前に誰かいるぜ!
女の子だ!
???
よく来たな、
霧の外より訪れし者ども。
カタリナ
君が……
村の人達が噂していた……?
???
噂?
ああ、おそらくそれは事実だ。
???
不死の幽霊船……星晶獣セレスト。
それをこの島に呼び寄せたのは、
この私だ……
ルリア
そんな……
でも、どうして……?
ドランク
は、はは……!
聞いていた通りだねぇ!
本当に……そのままだ……
???
ふん……あの村の連中から、
何を聞いたかは知らないが……
私はお前達を歓迎するぞ。
???
だから……いますぐここを去れ。
そして二度と私の館に近づくな。
霧の中に佇む少女は、
敵意をむき出しにして
グラン一行を迎える。
しかし、
その瞳には確かに、
語られぬ真実の欠片を秘めていた。