セレストの元へと急ぐグラン
一行。崖の影に隠れていたセレストを発見できたのは村人達のおかげだ、とフェリは話し、最後の決着に向け気を引き締める。
イオ
この先よね!
セレストの本体が居るっていうのは!
フェリ
そうだ!
崖の影で隠れるようにしていたらしい。
ロゼッタ
そんな場所、少人数で探してたら、
絶対に見つかりっこなかったわね。
ルリア
ふふふ……お手柄ですね!
フェリちゃん!
フェリ
私の力じゃない……
村のみんなが協力してくれたから……
だから見つけることが出来た。
フェリ
私ひとりの力じゃ、
きっと何も出来なかった……
フェリ
それにまだ、
決着がついたわけじゃない。
油断は出来ないぞ。
カタリナ
その通りだな……
グラン!
気を引き締めていくぞ!
ついにセレスト本体へとたどり着くグラン
一行。皆のおかげでここまで来ることが出来た、とフェリは礼を述べ、村の皆を解放するため、一行と共にセレストへと挑む。
セレスト
…………
ビィ
こいつは間違いなく本体だよな……?
って、ドランクの奴、
またどっか行っちまったのか?
カタリナ
さぁな……
恐らく、自分達の役目は
既に全うしたと判断したんだろう。
カタリナ
今回は、
彼らの助けもあったからこそ、
ここまで来ることが出来たからな。
フェリ
本当に……
私がずっと館に籠りきりじゃ、
きっとこの結末は得られなかった……
フェリ
ありがとう、ルリア、グラン。
改めて礼を言わせてほしい。
ルリア
ふふ……フェリちゃん、
お礼を言うのは、
全部が無事に終わってからです!
イオ
ふふんっ!
ま、このイオちゃんがいる時点で、
負けるなんてありえないけどねっ!
ロゼッタ
ふふふ……
ようやくここまで来たんだもの、
ここで負けちゃ格好悪いわよね。
ビィ
ここでしっかり、
決着つけてやろうぜ!
なぁ! グラン!
フェリ
グラン……
私からも頼む……
フェリ
どうか……どうかこの島に、
正しい秩序を取り返してくれ……!!
セレストを倒し村人達が消えていく中、何故かフェリだけが消えることなく残る。そのことに、自分にはまだやることがあるのだろう、とフェリは微笑む。そして別行動をとっていたドランクはスツルムに、この島を訪れた真の目的を明かすのだった。
フェリ
これで……全てが終わったのか……
ルリア
星晶獣セレストの力……
確かに受け取りました。
ビィ
おっ!
霧が薄くなって、
光が差してきたな!
それを合図とするかのように、
村人達は、ひとりまたひとりと、
その姿を砂に変えていく。
消えていく村人達は、
皆一様に明るく晴れやかな
笑顔を浮かべていた。
フェリ
じゃあ……私もそろそろだろ。
ルリア
うん……じゃあね、フェリちゃん。
フェリ
短い間だったけど、
お前達には本当に世話になった……
悪いが私は先に向こうへ往っている……
フェリ
何十年……何百年か後に再会したら、
その時には、
お前達の冒険の話を聞かせてくれ。
ルリア
はい……
ビィ
うぅ……
む、向こうでも元気でいろよな!
フェリはグラン達に別れを告げ、
ゆっくりと目を閉じ時を待つ。
しかし、いくら待とうとも、
フェリの身体が霞の中に
消えていくことはなかった。
ビィ
おいおい、どうなってんだよ!?
さっきの感動の別れが、
台無しじゃねーか!?
ルリア
いいじゃないですかビィさん!
理由はどうあれ、
消えないで済んだんですから!
カタリナ
しかし、どういうことなんだ?
他に残っている村人などは、
居ないようだが……
フェリ
いや……恐らく消えたのだ……
人を拒み続けた、名無しの幽霊が、な。
フェリ
ここにいるのは、
新しい名前をもらった、新しい私だ。
フェリ
きっとまだ私にはやることがある……
だから、消えることなく、
この世に残ったんだろう。
ルリア
ふふ……
そういうことなのかもしれませんね。
ルリア
フェリちゃんが、
ご家族と再会出来るのは、
もう少し先のことになりそうですね。
フェリ
そうだな……
ただ、今回の件でいいものが見られた。
フェリ
だから、家族との再会は、
もう少し先の楽しみにしとくさ。
ルリア
いいもの、ですか?
フェリ
ふふふ……そうだ。
それが見られただけで、
いまの私には十分だ。
スツルム
ドランク……
いい加減教えろ、
お前は何が目的だったんだ?
スツルム
セレストにお宝なんてないのは、
最初から知っていたんだろう?
ドランク
ん~、そぉだねぇ~
実を言うと僕さぁ、
大のお婆ちゃんっ子なんだよねぇ~
スツルム
……はぁ?
ドランク
僕のお婆ちゃんは
年中霧の立ち込める、
小さな島の出身でさぁ……
ドランク
子供の頃は身体が弱くって、
治療のために、家族と離れて、
別の群島で暮らしてたんだよね。
ドランク
それで治療が終わって、
故郷の島に帰ろうとしたんだけど……
何故だか島に近づけなかったんだって。
スツルム
まさか……
その、お前のお婆様の
故郷の島って……
ドランク
それ以来、最愛のお姉さんとも、
生き別れになっててさぁ。
ドランク
いっつもお婆ちゃんは、
そのお姉さんのことを心配してたわけ。
ドランク
子供の頃から聞いてた話だからさぁ。
一度でいいから、
会ってみたかったんだよね。
スツルム
そうか……
そういう理由があったんだな。
スツルム
それで……
実際に会ってみた感想はどうだ?
ドランク
お婆ちゃんが言ってた通りの、
可愛い子だったねぇ~
ドランク
出来ることなら……
お婆ちゃんと同じだけ歳を重ねた、
しわくちゃの姿が見たかったけどね。
スツルム
それは……
ドランク
さぁって!
湿っぽいお話はこれで終わり!
ドランク
ねぇねぇ、スツルム殿、
次はどこへ行こうか?
ドランク
アウギュステに行って、
バカンスなんていうのも、
悪くないかもねぇ~!
スツルム
残念だが……それはお預けだ。
仕事の依頼が入っていたはずだぞ。
ドランク
じゃあ、そのお仕事はすっぽかそう!
よし、決まり!
それじゃあ、さっそく……痛てッ!?
スツルム
信用第一だ……あたし達の仕事はな。
ほら、もう行くぞ……
ドランク
ああ、待って待ってスツルム殿!
置いてかないでぇ~!
思わぬ出会いを得たグラン一行は
グランサイファーを修理するため、
あらためてガロンゾを目指す。
グラン一行の進む先には、
更なる出会いと事件が
待ち構えているのだった。