オルキスを探すグラン一行の前に、オルキスを連れた黒騎士が姿を現す。オルキスはグラン
達と共に居たいと告げるが、黒騎士に連れ去られてしまい、納得の出来ないグラン一行は二人を追う。
ルリア
オールーキースーちゃーん!
返事してー!
オイゲン
これだけ探しても見つからねぇたぁ……
いよいよ危ねぇかもしれねぇな。
オイゲン
ひとりでよろず屋に戻ったとか、
そういう話なら助かるんだが――
???
――それは少々、楽観的すぎるな。
オルキス
…………
ラカム
黒騎士っ!?
ルリア
オルキスちゃん!
黒騎士さんと一緒だったんだ。
オルキス
…………
ルリア
オルキスちゃん……?
黒騎士
ロゼッタ……
貴様、いったいどういうつもりだ?
ロゼッタ
どうもこうもないわ。
おねーさんは、可愛い子が大好きなの。
それだけよ?
黒騎士
道化が……まぁ、いい。
人形が我が手に戻った以上、
今回は目を瞑るが……次はないぞ。
ロゼッタ
ふふ、そう?
じゃ、気を付けようかしらね。
黒騎士
ちっ……行くぞ、人形。
オルキス
…………
黒騎士
おい、何をしている……?
なんのまねだ?
オルキス
わ、私……
もう少しだけ……
ルリア達と一緒に居たい……
黒騎士
……ロゼッタ、
貴様、これが目的か?
面倒なことをしてくれたな……!
ロゼッタ
ふふ……
さぁ? どうかしらね?
ビィ
っていうか、やい! 黒騎士!
さっきからオイラ達を、
無視してんじゃねーぞ!
ビィ
この群島に来いって言ってたけど、
ここ、森と木以外に
なんにもねーじゃねぇか!
黒騎士
馬鹿が……
ならば、
貴様らはその程度ということだ。
黒騎士
行くぞ、人形。
もうここに用はない。
オルキス
あっ……
あぅ……ルリアっ……!
ルリア
オルキスちゃんっ!
黒騎士はオルキスの手を引き、
グラン達の前から
瞬く間に姿を消した。
ルリア
オルキスちゃん……
ビィ
なぁ! グラン!
まだ遅くねーよ! 追いかけようぜ!
オイラこんなの納得できねぇ!
カタリナ
ああ、騎空艇で来ていた以上、
まだルーマシー群島を出てはいまい……
追いかけるぞ! グラン!
黒騎士に追いつくグラン一行。しかし、黒騎士は自らにとって必要なのはルリアだけだと話し、グラン
一行に魔物をけしかけてくる。
イオ
――見つけたわよ! 黒騎士!
オルキス嫌がってるじゃない!
手、離しなさいよ!
オルキス
イオ……
黒騎士
しつこい連中だ……
私が私の所有物をどう扱おうと、
貴様らに関係ないだろう。
イオ
馬鹿じゃないの!!
オルキスはもう
あたし達の友達なんだから!
イオ
だから……
だからそんな泣きそうな顔、
放っておけるわけないじゃない!!
ラカム
よく言った、イオ。
その通りだぜ。
ラカム
そういうわけだ。
このまますんなり
行かせてやるわけにゃいかねぇな。
黒騎士
……少々、甘くし過ぎていたようだな。
ラカム
あん? なんだって?
黒騎士
私が貴様らに忠告や助言をしてきたのは
全てルリアに
無事、旅を完遂させるためだ……
黒騎士
私はルリアさえ生き残っていれば、
それでいいのだ……
黒騎士
つまり、
旅を共にする者は、
貴様らでなくともよいのだぞ……!!
魔物
グオオォォッ!!
ラカム
チッ……!
魔物をけしかけてきやがったか……!
さっさと片付けるぞ! グラン!
魔物と戦っている間にグラン
一行は黒騎士を見失ってしまう。しかし、オルキスの気持ちを無視することは出来ないと決意するルリアに皆が賛成し、一行は改めて黒騎士とオルキスを探し始める。
カタリナ
くっ……
魔物と戦っている間に、
黒騎士を見失ってしまったようだな……
オイゲン
あいつの思惑通りってわけかい……
面白くねぇなぁ、おい。
ロゼッタ
最初からアイツの目的は
オルキスちゃんを連れて、
ここを去ることだったんだもの……
ロゼッタ
魔物相手に熱くなってた時点で、
勝負は決してたってわけね。
ビィ
くそー……
なぁ、どうする?
ルリア、グラン
選択肢
オルキスを探そう
ビィ
やれやれ、諦めの悪い奴だな……
ビィ
ま、オイラも
ここで引き下がる気なんか
さらさらないけどなっ!
選択肢
諦めきれるはずがない
ビィ
だよなっ!
グランなら、
そう言うって信じてたぜ!
ルリア
オルキスちゃんは……
私達ともっと一緒に居たいって、
そう、言ってくれました……
ルリア
その気持ちを無視するなんて、
私、出来ないですっ!!
ルリア
行きましょう! グラン!
オルキスちゃんとこのままお別れなんて
ぜーったいに嫌ですっ!
ルリアの言葉に、
全員が賛成の意を示す。
消えた少女と黒騎士を追い、
グラン達は、
深き森を駆ける。