帝国の戦艦へと忍び込んだグラン
一行。ルリアの言う怪しい気配をたどって進むと、因縁の相手であるポンメルン大尉が一行を待ち構えていた。
ラカム
戦艦に乗り込んだはいいが……
あいつはいったい、
どこに居るんだ?
ルリア
んと……
なんだか怪しい気配が、
向こうのほうから……
ビィ
あ、怪しい気配って……
ラカム
だが、他に手がかりもねぇ……
ともかく行ってみるぞ!
ポンメルン
クッククク……
やっぱり、
来やがったですネェ……
???
おやおや、これはすごいねぇ。
破竹の勢いというやつだ。
オイゲン
どうやらここで
当たりだったみてぇだなぁ、おい。
ポンメルン
宰相閣下から預かった以上、
そう簡単に、
渡すわけにはいきませんからネェ……
ポンメルン
まずは我らがエルステ帝国が誇る、
精兵達の相手をしてもらいますよォ!
ポンメルン率いる帝国兵達を蹴散らすグラン
一行。追い詰められたポンメルンは魔晶によって自らの姿を変貌させ、グラン一行へと襲い掛かってくる。
ビィ
へへっ!
あの程度の兵隊が、
いまさら相手になるかってんだ!
ポンメルン
くっ……
宰相閣下を失望させるわけには
いきませんからネェ……
ポンメルン
貴様らは私自ら、
返り討ちにしてあげますよォォッ!!
ポンメルン
いまッ! ここでッ!!
カタリナ中尉への復讐も、
果たさせてもらいますよォォォッ!!
ラカム
けっ……
一度、アウギュステで目にしてる以上、
同じネタじゃあ、驚かねぇぜ!
カタリナ
油断は出来ないぞ。
魔晶の力は、
計り知れないものがあるからな……
オイゲン
はん……
的がデカくなったってぇだけの話だぜ。
オイゲン
こんなに狙いやすい獲物もねぇ!
仕留めるぞ! グラン!
ポンメルンを倒し謎の少年を救い出すグラン
一行。ラカムが少年に全ての疑問を投げかけると、少年はそれに答えるように、自らが艇造りの星晶獣であり、グランサイファーの製作者であることを明かすのだった。
ポンメルン
ぬぅぅ……!
魔晶の出力をあげたものの
身体がついてこないとは……
カタリナ
待て! ポンメルン!
ここで因縁は、
終わらせてもらうぞ!
ポンメルン
馬鹿おっしゃイィィイィ!!
カタリナ
なにっ!?
剣が届かないだと……!
ポンメルン
こんなところで死ぬワケにはァァ!
いかないんですよォォォォッ!!
ポンメルン
さらばですネェ逆賊共ォォォ!
次は命は無いと思いなさいィィ!!
ポンメルンを退けた一行は、
無事、謎の少年を助け出した。
???
ありがとう、ラカム、グラン。
君達なら、
必ず助けに来てくれると思っていたよ。
ラカム
ああ、いや……
ラカム
なぁ……
お前は俺とは、
どういう知り合いなんだ?
ラカム
この島……ガロンゾで、
俺達は会ったことがあるのか?
???
そうだね……
ガロンゾは僕達の出会いの地であり、
同時に約束の地だ。
ラカム
なぁ……
けど、そうするとおかしいんだよ。
ラカム
俺がガロンゾに来たのは
俺がまだ小せぇガキの頃だ。
ラカム
その頃、
いまどう見てもガキのお前は、
まだ生まれてもいねぇんじゃねぇか?
???
ふふ……
そんなことはないよ、ラカム。
???
確かに君が大人になるまで……
それはとても長い年月だね。
???
けど、悠久を超える僕達星晶獣にとって、
それくらいの歳月は、
あっという間なのさ。
???
もちろん……それでも僕は
約束が果たされる日を、
心待ちにしていたんだけどね。
カタリナ
なっ……
き、君はいま、なんと……?
オイゲン
オレの聞き間違いじゃなきゃあ、
いま、星晶獣って……
???
そうか……
改めての自己紹介が必要だったね。
ノア
僕はノア。
艇造りを司る星晶獣であり……
騎空艇グランサイファーの製作者だ。
少年の告げる正体に、
言葉を失うグラン一行。
しかし、驚く一行のすぐ後ろには、
軍靴の音が
高らかに迫りつつあるのだった。