約束を果たさなければグランサイファーがこの地を離れられないのは、ガロンゾにいるもう一体の星晶獣ミスラの力のせいだった。さらにその力のおかげでガロンゾは成り立っているとノアは語る。
ラカム
約束……か。
オイゲン
なぁ……
一つ聞いてもいいか?
ノア
何かな?
僕に答えられることだと
良いのだけど……
オイゲン
ああ……
このままじゃ、グランサイファーが
この島から飛び立てねぇって話だが……
オイゲン
そいつはいったい……
どうしてなんだ?
ノア
約束があるからね……
この約束を果たすために、
グランサイファーは不可欠なんだ。
オイゲン
いや……
お前さんが言ってる約束ってのは、
子供の口約束みたいなもんだろう?
オイゲン
それでどうして、
グランサイファーが
飛び立てなくなるんだ?
オイゲン
まさかとは思うが……
お前さんが星晶獣の力で何か……
ノア
星晶獣の力というのは正しいね。
ただし、それは僕じゃない。
ノア
この島、ガロンゾには、
実はもう一体、星晶獣が居るんだ。
カタリナ
もう一体の星晶獣だと……?
ノア
そうさ、
むしろ僕は野良みたいなものでね。
そいつのほうが強く島に影響してるんだ。
ノア
契約を司る星晶獣……
名をミスラと言ってね。
こいつが実に厄介なのさ。
ノア
まぁ……
おかげでこの島が、
成り立っているとも言えるんだけどね。
ビィ
んん?
厄介なんじゃないのか? そいつ。
ノア
そうだね……少し移動しようか。
ドックのあるあたりがいいかな。
そのほうが説明しやすいだろうから。
>ミスラは無意識や事象に働きかけ、契約や約束事を絶対遵守させるという力を持っていた。グランサイファーが飛び立てないのもその力のせいだったのだ。ノアは、ルリアがミスラの力を借りてもその力を解除することはできないと言う。
荒くれ者
おお! ついに出来たんだな!
オレの騎空艇が!
これで活動範囲が広がるってわけだ……
荒くれ者
ああ、これ、お代だ。
受け取っておいてくれ。
船大工
はい、どーも、確かに。
まいどあり!
ビィ
なぁ……
ここになにがあるってんだ?
ビィ
それともここに、
その星晶獣ミスラがいるってのか?
ルリア
うーん……
そういう気配は
いまのところありませんけど……
ノア
ここを見ていて、
何か気づくことはないかい?
カタリナ
そういえば……
この島ではあまり契約を、
書面化したりはしないのだな。
カタリナ
騎空艇の整備は
大金が動く契約なのに、
請求書がないと聞いて驚いたよ。
オイゲン
そりゃあ、何十年も前から、
ガロンゾはそうやってっからなぁ……
不思議に思ったこともなかったぜ。
オイゲン
まぁ、義理堅い連中ばっかりだからなぁ。
きちっと紙にまとめなくても、
契約を破る奴なんざ……
ノア
それが……
契約の星晶獣、ミスラの力なのさ。
ラカム
なんだって……?
ノア
逆なんだ。
義理堅いから契約を破らないんじゃない。
ノア
この島では契約を破れないから、
住人達は義理堅くなっていくんだ。
ノア
星晶獣ミスラはその能力で
無意識や事象に働きかけ、
契約や約束事を絶対遵守させる。
ノア
その拘束力は、
どれだけ強力な星晶獣であろうと、
決して逃れられない……
ラカム
それじゃあまさか……
俺がノアと交わした約束を
ミスラが……?
ノア
そうだね……
本来なら、
子供の他愛ない約束だったんだけど……
ノア
幸か不幸か約束として成立し、
星晶獣ミスラの影響を受けてしまった。
ノア
これが、騎空艇グランサイファーが
このままでは
この島から飛び立てないという理由さ。
ビィ
マジかよ……ってことは、
いまグランサイファーは星晶獣の力で
縛り付けられてるってことなのか!?
イオ
ね、ねぇ、それって、
ルリアの能力でなんとかならないの?
ほら、アルビオンのときみたいに!
ルリア
ですねっ!
私が力の一部分を借りて、
解除しちゃえば……
ノア
残念だけど、それは無理だね。
ミスラの能力は
ミスラ自身にも止められない。
ノア
ミスラの拘束力からは、
ミスラ自身も例外なく、
干渉することが出来ないんだ。
ルリア
そんな……
魔物
グオオオォォッ!!
ノア
まぁ、それがどんな約束だったか
教えないのは僕のエゴだけどね。
ノア
僕は思い出してほしいんだ……
そのために邪魔になるものがあるなら、
僕自らが排除しよう……!