ビィに刃を向けるスツルムに激昂するカタリナ。しかし、スツルムとドランクの目的はあくまで黒騎士を助けることであり、そのためには、なんとしてもビィに封印を解かせなければならないことを明かす。一行とふたりは、それぞれ譲れないもののため激突する。
ビィの首元に刃を当てるスツルムに対し
カタリナは我を忘れて吼える。
カタリナ
貴様っ!?
どういうつもりだ!?
ビィ君から離れろ!!
ドランク
おっとぉ……そう怒らないでよねぇ。
僕達も、トカゲちゃんを
傷つけたいわけじゃないんだからさ。
カタリナ
なんだと……?
ドランク
ごめんねぇ~……
言ったでしょ?
僕達には目的があるのよ。
スツルム
目的のために手段は選ばない……
というより、他に手段はない。
ドランク
僕達は僕達で、
色々と調べてたワケ!
それでわかったんだけど……
ドランク
黒騎士をあの島から助けるには、
なんとしてもビィ君に本来の力を
取り戻してもらう必要があるんだよねぇ。
ビィ
く、黒騎士を……
助けるために……?
ドランク
そ、最初っから、
そう言ってたでしょ?
ドランク
だから封印を解くことを、
躊躇ったりされちゃあ、
困るんだ……
ドランク
色々と思うところがあるのはわかるよ?
トカゲちゃんの不安ももっともさ。
ドランク
でも、僕達は僕達のために、
最善を尽くさなきゃいけない……
だから、早く封印を解いてほしいんだ。
ビィ
うぅ……
ルリア
ビィさんっ!!
カタリナ
下衆が……!
一度でも貴様らを信じた、
私達が愚かだったようだな……!!
いますぐビィ君から刃を下ろせ!
さもなくば……
この場で斬り捨ててくれる!!
グラン
一行はスツルム、ドランクと刃を交わすものの、決着がつくことはなかった。そんな折オルキスは、黒騎士を助けたい思いは同じはずなのに、どうして争わなければならないのかを問う。ドランクはそれに答えようとするが、不意に凄まじい地響きが島を襲い、村からは黒煙が立ち上り始めていた。
グラン一行は、
スツルム、ドランクと刃を交わすものの、
なかなか決着がつくことはなかった。
スツルム
はぁ……はぁ……
ドランク
たはー……
やっぱ多勢に無勢だなぁ……
オルキス
ドランク……どうして……?
ドランク
うん? どうして……?
ドランク
はは……
そんな悲しい顔しないでよ、
オルキスちゃん……
ドランク
オルキスちゃんも、黒騎士を……
あの人を助けてあげたいでしょ?
オルキス
助けたい……
でも、グランと、
喧嘩もしたくない……
オルキス
グラン達と、
目的は同じはず……
なのに、どうして……?
ドランク
それは……
ドランク
っ!?
ルリア
きゃあっ!?
カタリナ
こ、これは……村のほうからか!?
スツルム
かなりデカい……
それにいまの音と、この匂いは……
オイゲン
おい、ドランク!
ひとまず話は後にしねぇか!?
オイゲン
こりゃあ……
もしかすっと村が……!!
ドランク
確かに……
どうもここでいがみ合ってる場合じゃ
ないみたいだねぇ……
にわかに表情を険しくし、
グラン達は、
来た道を戻り始める。
その視界の先にある村からは、
悲劇の象徴のように、
黒い煙が立ち上り始めていた。