森を進む中、自らが眠りについている間に騎空団へと加入したリーシャに興味を持つロゼッタ。ロゼッタはリーシャに対し不思議な親近感を抱いていた。しかし、リーシャには身に覚えがなく、もしや自分自身ではなく父親と面識があるのでは、とリーシャは自らの父の名を明かす。その名前を聞き、ロゼッタは驚きで言葉を失うのだった。
ロゼッタ
ところで貴方……
さっきから静かね?
リーシャ
ひゃいっ!?
あ、えと……あははは……
リーシャ
その……しばらくの間、
私が口を挟めない雰囲気が
続いていましたから……
ロゼッタ
ふふ……大丈夫。
そんなに畏まらないで頂戴。
ロゼッタ
貴方、確か……
秩序の騎空団のリーシャちゃんよね?
どういう経緯で、この騎空団に?
リーシャ
そうですね……
どこから話したものでしょうか……
リーシャはロゼッタに、
自らがグランの騎空団に、
派遣されるに至った経緯を話す。
リーシャ
……というわけでして、
いまはこの騎空団に、
身を置かせてもらってるんです。
ロゼッタ
ふぅん……
そう……そういうことなのね。
でも、まだ何か……うーん……
ビィ
んん? なんだよ?
なーんか引っかかる、って顔してんな?
ロゼッタ
ええ、そうね……
さっき聞いた繋がり以外に、
彼女とはどこかで会ってる気がして……
リーシャ
ええっ!?
ご、ごめんなさい……
私は記憶にないんですけど……
ロゼッタ
あ、ううん……
何か違うような気もするし、
アタシの勘違いかもしれないわ。
イオ
ねぇねぇ、もしかしたらそれ……
リーシャのお父さんと、
会ったことがあるんじゃない?
リーシャ
父さんと……?
イオ
だって、
ビィもリーシャのお父さんと、
会ったことがあったんでしょ?
ビィ
まぁ……
オイラとしては、
不思議な感じだけどな……
イオ
ほら!
リーシャのお父さんは、
色んなとこに顔を出してたんじゃない?
リーシャ
確かに父さんは、
立場の都合もあって、
たくさんの島に出向いてましたけど……
ロゼッタ
ふぅん……?
で、誰なのかしら?
その貴方のお父さん、っていうのは。
リーシャ
私の父は……
碧の騎士、ヴァルフリートなんです。
ロゼッタ
えっ……
ロゼッタ
ヴァ、ヴァルフリートの……!?
え? 嘘……冗談よね?
リーシャ
い、いえ……
正真正銘、ヴァルフリートは
私の父さんですが……
ラカム
どうしたってんだ……?
こんなに驚いてるロゼッタ、
初めて見るぜ?
オイゲン
おう、ロゼッタ!
この先で道が、
2つに分かれてんだが……
オイゲン
おい、ロゼッタ?
どうした?
ロゼッタ
あ……ううん、大丈夫。
こっちよ。
付いて来て頂戴。
リーシャの父の名を聞き、驚きながらも納得した様子のロゼッタ。意を決したロゼッタは、リーシャの父であるヴァルフリート、ビィ、そして自分が、かつてグラン
の父親と共に旅をしていたことを明かす。記憶の無いビィはその事実に驚くが、確実にビィの中には当時の記憶が甦りつつあった。
ロゼッタ
そう……そうよね。
グランさんがいるんだもの……
何にも不思議な話ではないわよね……
カタリナ
ロゼッタ……
先ほどから様子が変だが……
本当に大丈夫なのか?
ロゼッタ
あ、平気よ。
ちょっとびっくりはしたけど……
ロゼッタ
ねぇ、グランさん……
もしかしてなんだけど……
ロゼッタ
もしかして、
リーシャちゃんが彼の娘だから、
仲間に引き入れたのかしら?
選択肢
何のこと?
ロゼッタ
ふぅん……?
そういうつもりはなかったのね?
選択肢
モニカから頼まれた
ロゼッタ
モニカ……?
ああ、秩序の騎空団のあの子ね?
ロゼッタ
じゃあ、グランさんから、
引き入れようとした
わけではないのね……?
ビィ
なぁ、ロゼッタ、
さっきから何のこと言ってんだ?
ロゼッタ
え? だって……
ああ、そう……そういうこと。
貴方達はまだ、知らないのね。
ビィ
知らない、って何をだよ?
ロゼッタ
もう……話しても良いわよね……
ビィ君が力を取り戻した以上、
いずれわかることでしょうし……
ロゼッタ
リーシャちゃんがこの騎空団に来たのも、
考えてみれば、
必然だったのかもしれないわ……
ロゼッタは意を決した様子で、
グラン達へと向き直る。
ロゼッタ
アタシとヴァルフリート、
それにビィ君……
他にも仲間は居たけれど……
ロゼッタ
アタシ達は、
グランさんのお父さんの騎空団で、
一緒に旅をしていたことがあるの。
ロゼッタ
そうね……
ちょうどグランさんのお父さんが、
グランさんくらいの歳の話よ。
リーシャ
っ!?
カタリナ
ビ、ビィ君には
そんな繋がりがあったのか……!?
ビィ
お……おいおい、待てって!
オイラ、そんなの記憶にねーぞ!?
リーシャ
いえ……
つまりはその旅の記憶こそが、
封印されていた記憶ということですね?
ビィ
じゃ、じゃあ、
オイラにリーシャの父ちゃんの記憶が
あったのって……
ロゼッタ
そう……
ビィ君の記憶は、
もう戻りつつあるのね……
ルリア
少しずつではあるんですけど、
ビィさんの中にビィさんの知らない
記憶があるみたいなんです……
ロゼッタ
それじゃあ……
まだ全ての記憶が
戻ったわけではないのね?
ビィ
おう……
なぁ、オイラこのままだと、
いったいどうなっちまうんだ?
ビィ
なんで親父さん達と旅した記憶が
封印されてんだ?
その旅で何があったってんだよ?
ロゼッタ
それは……
まだアタシの口からは言えないわ。
ロゼッタ
けれど……
きっといつか貴方達も
直面することになる。
ロゼッタ
アタシに出来るのは、
その場所まで貴方達を導くこと……
それだけよ。