ユグドラシル・マリスの目覚めに伴い、島全体が禍々しい雰囲気に包まれる。ロゼッタは、このままユグドラシルが魔晶の力によって崩壊すれば、島そのものも崩れ去ってしまうことを明かす。一行は悲劇を食い止めるべく、殺気立つ魔物達の跋扈する森を進む。
ユグドラシル・マリスの目覚めが近づき、
島全体が戦慄に包まれる。
狂気めいた力が
森を満たしていくのを感じながら、
一行はユグドラシルのコアへと駆ける。
イオ
な、なんなの……?
このぞわぞわする嫌な感じ……
ルリア
前よりももっと強い……
ただただ悲しい感情だけが
伝わってきます……
オルキス
私にも……わかる。
すごく……痛くて、苦しくて……
悲しくて……辛くて……
オルキス
ごめん、なさい……
私が……
私が目覚めさせなければ……
ロゼッタ
いまのアタシ達には謝る以上に、
あの子のために
してあげられることがあるわ。
ロゼッタ
だから、アタシ達は、
いまアタシ達に出来ることをしましょう。
ね? オルキスちゃん。
オルキス
うん……
カタリナ
森全体が嫌な気配に包まれているな……
居るだけで感化されてしまいそうだ。
リーシャ
それだけじゃありません……
森の魔物達も先ほどまでより、
明らかに殺気立ってるみたいです……
ラカム
そりゃ、
こんな剥き出しの感情を、
ぶつけられりゃあな……
オイゲン
特別な力はねぇが、
オレにもわかるぜ……
こんなに居心地の悪ぃ空気は初めてだ。
ロゼッタ
居心地が悪いだけじゃないわ……
このままだと、
この島はじきに崩壊を始める……
ロゼッタ
言ったでしょう?
アタシ達は島と契約することで、
真の力を発揮するようになる、って……
ロゼッタ
つまり、その守り神たる星晶獣と、
契約を結ばれた島は一心同体なの。
ロゼッタ
アタシは仮契約のような形で、
この島に根を下ろしていたけど、
あの子は違うわ……
ロゼッタ
正真正銘ルーマシーの守り神……
あの子と島は互いに影響し合い、
あの子が崩壊すれば島も崩れ去る……
ビィ
んなことになったら、
オイラ達もただじゃすまねーよな……
ロゼッタ
そう……
だから絶対に、
あの子に崩壊なんてさせない……
ロゼッタ
行きましょう……グランさん。
アタシ達の手で、
最悪の結末を変えるために。
森が禍々しい気配に包まれる中、グラン
一行はドランク、スツルム達と合流する。彼らは無事黒騎士を見つけていたが、黒騎士は希望を失ったショックから人形のようになってしまっていた。島に迫る危機を共有し、一行はドランク、スツルム、黒騎士を仲間に加えて森を進む。
グラン一行は、
禍々しい気配に包まれる森を進みながら、
ユグドラシルのコアを目指す。
しかし、その途中、
カタリナは辺りを見回し、
皆を制止したのだった。
カタリナ
待て……足音だ。
誰かこちらに向かってくるぞ……
カタリナの言葉に、
一行はそれぞれ武器を構えるが……
ドランク
あっれぇ~!
どしたの? キミ達。
みんなして怖い顔して~!
ビィ
なんだよ、兄ぃちゃん達か……
おどかすんじゃねーぜ!
スツルム
あたし達にそんなつもりはなかった。
そっちが勝手に身構えただけだ。
ラカム
まぁ……
警戒しねぇでいられる
状況でもねぇからな……
オルキス
ドランク……
スツルム……
ア、アポロは……?
ドランク
え……あ……っ……
ドランクは口をつぐみ、
オルキスから目線を逸らす。
オイゲン
お、おいおいおいおい……
ふざけんじゃねぇぞ……?
まさか……
スツルム
黒騎士は……見つかった。
命に別状はない。
ドランク
ただ……ね。
ドランクはそう呟くと、
自分達が来た方向を見やる。
その木々の間には、
感情を失ったかのような表情で佇む、
ひとりの女性の姿があった。
黒騎士
…………
オルキス
アポ、ロ……?
黒騎士
…………
オイゲン
お、おい……
こいつぁいったい、
どういうことなんだ……?
ドランク
よっぽどのショックを受けた
影響だと思うんだけどね……
話しかけてもほとんど反応が無くて……
ロゼッタ
これじゃまるで……
黒騎士の方こそ人形みたいね……
オルキス
アポロ……
黒騎士
…………
スツルム
ただ……さっきも言ったように、
ひとまず命に別状はない。
スツルム
それより……この状態はなんだ?
森全体がおかしくなってる……
いったい何が起きてる?
グラン一行は、
ユグドラシル・マリスの
目覚めについて説明する。
ドランク
そう……
それじゃあ、早いとこ
この島を出ないとねぇ~
スツルム
どうやって……?
ドランク
えっ!?
あ、そっか……僕達、
グランさんの艇でここまで……
ロゼッタ
アタシ達は、
あの子を止めるまで、
この島を離れるつもりはないけど……
ロゼッタ
そうよね?
グランさん?
選択肢
もちろん
スツルム
馬鹿か……
ラカム
馬鹿かもしれねぇなぁ……
けど、馬鹿にならなきゃならねぇ時、
ってのは、あるもんだろ?
イオ
っていうか、
馬鹿とかなんとか関係ないわよ!
だって、泣いてるなら助けなきゃ!
選択肢
見捨てられない
ドランク
もー!
またそーやって、
正義の味方ぶるんだから~!
ルリア
そ、そんなつもりはないですけど……
でも、これが私達なんです。
ビィ
おうさ!
お人好しだと言われよーが、
困ってる奴はほっとけねーんだ!
リーシャ
残念ですが……
私達に
意思を変えるつもりはありません。
ドランク
んじゃまぁ……
君達と一緒に頑張るのが、
一番得策かなぁ……ねぇ? スツルム殿。
スツルム
ふん……
グラン一行はこうして、
ドランク、スツルム、黒騎士と合流し、
魔物を蹴散らしながら森を進む。