グラン一行は次第に逃げ場を失いつつあることに気づく。それでも立ち止まるわけにはいかず、迫り来る帝国兵を蹴散らし、グランサイファーへ急ぐ。
フュリアスとガンダルヴァの軍に
行く手を阻まれながら、
一行はグランサイファーを目指す。
しかし、意外にも緻密な連携に、
徐々に一行は逃げ場を失いつつあった。
ビィ
マズイぜ……
さっきからオイラ達、
少しずつ追い詰められてねーか……?
ロゼッタ
そうみたいね……
あの少将さんと中将さん、
実は相性がいいんじゃないかしら?
イオ
もう!
ここでそんな相性の良さを
発揮されても困るわよ!
帝国兵
さぁ、観念しろ!
これ以上我々の手を煩わせるな!
オイゲン
追い詰められてんのはわかるが、
こりゃあ、
立ち止まってるわけにもいかねぇぞ……
ルリア
いまはひとまず、
進むしかないみたいですね……
オイゲン
ああ……
だが、決着はもう近いぜ……
腹ぁ括れよ! グラン!
グラン
一行は中将ガンダルヴァと少将フュリアスに取り囲まれてしまう。絶体絶命かと思われたまさにその時、装備を整えた黒騎士が颯爽と現れ、さらにはグランサイファーに残っていた面々も応援に駆けつける。勇気づけられた一行は戦意を取り戻し、帝国兵に立ち向かう。
ガンダルヴァ
ああ、こら逃げんな……
っていうかわかれよな……
もう逃げ場なんざ、どこにもねーぞ?
フュリアス
散々逃げ回ってくれたんだ……
それなりの覚悟は出来てるよね?
ビィ
くそぅ……!
あっちからもこっちからも!
こりゃ、いよいよやべーぜ……!
ルリア
ど、どうしましょう、
グラン……
イオ
ふん!
逃げ場がないなら、戦うだけよ!
あたし、負けたりしないんだから!
ロゼッタ
そうは言っても、
これはちょっと多勢に無勢ね……
突破するにも苦労しそうだわ。
オイゲン
やれやれ……
いよいよもって、
絶体絶命ってやつか? おい……
フュリアス
絶体絶命?
そういうのって、
助かる前提で言う言葉じゃない?
フュリアス
馬鹿だなぁ……
助かると思ってんの?
これだけの兵隊に囲まれてさぁ!
???
これだけ?
これっぽっちの間違いだろう?
フュリアス
あぁ!?
お前、なに言って……
フュリアス
っ!?
お前……
まだ生きて……!?
ルリア
あっ……!
???
まだ……?
はて……じきに死に至るような、
そんな状況があったか……?
???
貴様ら程度がこの私を殺せるような、
そんな奇跡は、
そうそう転がっていないぞ?
フュリアス
くそっ……!
相っ変わらず腹立つなぁ……!!
エルステ帝国最高顧問サマはさぁ!!
???
元、だ……
忘れたか? フュリアス……
ルリア
黒騎士さんっ!
無事だったんですね!
黒騎士
ふん……揃いも揃って何の心配だ?
この私が、そんな窮地に
陥っているように見えたというのか?
ロゼッタ
ふふ……
いつも通りどころか、
いつもより調子良さそうじゃない。
黒騎士
ああ……
やはり半端な格好より、
こちらのほうが肌に馴染む……
ガンダルヴァ
おいおい……
黒騎士サマの御登場かよ……
ガンダルヴァ
こうしちゃいらんねぇな……
こっち側なんざほっといて、
オレ様も黒騎士を……
カタリナ
そうか……
では、こちら側は、
遠慮なく突破させてもらうとしよう。
ガンダルヴァ
っ!?
てめぇら……
どっから湧いて出やがった……!?
ラカム
ちょいと協力者がいてな……
いやぁ……あるもんなんだな?
隠し港なんてのがよ。
リーシャ
グランさん! こちら側へ!
騎空艇の準備なら、
すでに出来ています!
オイゲン
ったく……
来るのが遅いぜ……
ビィ
へへっ!
なんだかんだで、
みんな集まってきてるじゃねーか!
ガンダルヴァ
けっ……
させるかよ……
ガンダルヴァ
フュリアス!
こいつはオレ様の獲物だ!
邪魔すんじゃねぇぞ!
フュリアス
はぁー!?
なに言ってるわけ!?
意味わかんないんだけど!!
フュリアス
なに? それじゃあおっさんが、
こいつらの代わりに
ボクに嬲り殺されてくれるわけ!?
ガンダルヴァ
はっ!
じゃあ、早いもん勝ちだな……
文句は言うなよ!!
フュリアス
あっ!
このっ……!!
ビィ
ふんだ!
二人同時だろうと、
いまさら怖くなんかねーぜ!
ルリア
はい!
さっきまでと違って、
いまはみんながいます……
ルリア
いきましょう!
グラン!
みんな一緒なら、きっと大丈夫です!
グラン一行はついにグランサイファーへ帰還し、すぐさま艇を出す。巨大な危機に立ち向かうべく、一行は一度アガスティアから距離を置くのだった
皆で力を合わせ、
フュリアスとガンダルヴァを退ける
グラン一行。
その足で一行はアガスティアの地を駆け、
グランサイファーへと
乗り込んだのだった。
ラカム
よっしゃ掴まれ!
このまま一気にアガスティアを出るぞ!
イオ
そ、それで、
どこに向かうの!?
黒騎士
行先など構うな。
まずはアガスティアから距離を置け。
黒騎士
さもなくば、
エルステの戦艦に
囲まれることになるぞ。
リーシャ
確かに……
いまは行方をくらますことを
優先しましょう!
グランサイファーは、
転げるようにアガスティアを発つ。
迫る危機を知ったグラン一行は、
その危機に相対する方法を探すべく、
少しの時間を必要とするのだった。